労働時間と有給休暇で勘違いが多いと思うこと
いろんな会社の人と話しをすると、労働時間や有給休暇について、結構な頻度で勘違いしている人に出会います。
いわく、こんな感じです。
「29分だと、切り捨てられちゃうから、31分になるのを待って打刻してる」
「有給とりたいけど、上司が承認してくれないから、休めない」
この、どこがおかしいのか?と思った方も、勘違いの仲間です。
労働基準法では1日単位の労働時間をまるめるのはダメなのです
まず、労働時間ですが、上記の話だと「1日の労働時間」をまるめてますよね。打刻うんぬんの話なので。
でも、労働基準法では「1日単位の労働時間」をまるめることは許していません。つまり違法です。
厚生労働省がガイドとして示している違法にならない端数処理の方法は、ひとつだけです。
それは、「1ヵ月における時間外労働、休日労働および深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数が生じた場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること」です。
1日単位では必ず1分単位で集計して、1カ月まとめてから端数処理しなさいということですね。
なおかつ、注意が必要なのは「時間外労働、休日労働および深夜業の各々の時間数の合計」に端数が生じた場合であって、労働時間ではないことです。
たとえば、パート・アルバイトとか、所定労働時間内である場合は、端数がでても1分単位で処理しないといけないわけですね。
ここを勘違いしている人は特に多いです。
とは言え、60進数である時間を賃金に換算する時は、計算しやすいように10進数に換算しないといけない場合があります。こんな時は「従業員に不利にならない」ように原則は支給の場合は切り上げ、控除の場合は切り捨てします。
有給休暇に上司の承認など、本当はいりません
有給休暇の請求権は労働者の権利です。
だから、本当は承認なんかいりません。
ただ、みんなが好き勝手に休むと正常な事業の継続ができない場合がでてきます。
なので、就業規則で「3日前には請求すること」みたいな縛りをいれたり、取得する時季をずらしてくれるよう労働者にお願いすることができることになってます。
労働者の権利なんですけど、事業の継続に支障ないようにお互い気を配って休んでくださいね・・ということなのですね。
上司の意向をいちいち伺う必要は本当はないのです。
でも、権利だからといって、勝手に休むと後で気まずくて仕事がしずらい。
そういうことはあります。
だから、お互いに気を使いましょう・・みたいな感じではあります。
でも、そのあたりを理解していない上司ってのも、いまだにいるみたいですので、直接話をしてダメなら、人事部なりに相談するのがいいです。
もし、それで人事部も同じように、当然の権利の行使なんか認めないというなら。
その会社は間違いなくブラック企業です。
早々に退職することを考えたほうがいいでしょうね。