人事・労務・給与・就業の「あ、そうなんだ」

仕事をしながら、「あ、そうなんだ」と思ったこと、あれこれ

ノーレイティング。これからの人事評価の方向性みたいです。

"ノーレイティング"の意味は、文字とおり、「レイティングしないこと」です。

 

レイティングというのは、ここでは、人事評価の時にA,B,C,D,Eとかのランク付けをしないということを意味します。

 

ランク付けしなかったら、人事評価にならないのでは?と思う人もいるみたいで、ニュースや本では、このノーレイティングと同じ主旨のことを、「人事評価をやめる」とか「年次評価廃止」などと書いてある場合があります。

 

でも、どうも「年次評価」や「人事評価」をやめるということではなく、「年次評価・人事評価は行うんだけど、ランク付けはしない」ということみたいです。

 

最近、かなり話題です。

 

話題になっている理由は?というと、例えば ギャップ、マイクロソフト、GE、アドビシステムズ、アクセンチュアIBMなんかの超有名企業が先を争うように導入しているからです。

 

その流れから、日本の企業にもこれから導入する企業が増えてくるだろうという予測は簡単にたちますね。

 

なんで、「ノーレイティング」が良いのでしょうか

 

ざっくり言うなら、「もう、社内で競争させている時代じゃない!」ということみたいですね。

 

ランク付けがあると、社内で他の社員と競争しなければなりません。ほとんどの社員の間に、それほど極端な能力の差はないので、ちょっとのことで、CがBになったり、Dになったりするのです。

 

そうすると、自分に有利な情報をわけへだてなく競争相手にシェアしたり、競争相手の成果のためにすすんで協力するようなことは、普通しません。それが、会社トータルとして、外部の敵に勝つために必要なことであってもです。

 

ましてや、失敗は避けなければなりません。どうしても評価の時に不利になりますから。そうすると、どうしても思い切ったチャレンジはさけるようになります。

 

ところが、そんなことをしているうちに、ものすごい勢いで時代や経済環境は変化していますし、新しいビジネスモデルをかかげて、自分たちを脅かす新興企業が猛烈な勢いで成長してきます。

 

会社をあげて戦わないと、明日はないかもしれないわけです。

 

それなのに、社内のランク付けのために、社員が一致協力して社外の敵とたたかうことを阻害したり、新しいチャレンジの行動を起こすことをためらわせているとしたら、どうでしょう。

 

本末転倒です。

 

なので、”ノーレイティング”で、社内競争を抑制し、マネージャによるレイティングしない評価と面談・指導で、各社員のパフォーマンスをより引き出す方向に舵をきって、会社トータルとしてよい方向にむかおう・・ということみたいですね。

 

いやあ、なんかいいんじゃないでしょうか。