勤務間インターバル規制は「命を救う」?
勤務間インターバル規制も最近、よく聞くようになった言葉です。
一言で言えば「終業時刻から次の始業時刻までの間隔の最短時間を規制で決める」ということです。
例えば、規制の時間が11時間だったら、前日に午後11時迄仕事をした従業員は、就業規則で定時が午前9時からとなっていようとも、翌日は11時間後の午前10時からしか、働いたらダメということになります。
当然、午前10時に出社したからといって遅刻にしてはいけません。仮に、その従業員が、定時の午前9時に出社したとしたら、9時から10時迄の間は時間外手当の対象になるということです。
勤怠管理という業務視点で考えると、就業時間から始業時間までの間隔の管理が必要になったり、時間外手当の計算の仕方とかが、若干、ややこしくはなりますね。
EUでは、すでに労働者の健康を守るという明確な目的のもとで、1993年から、24時間につき最低連続11時間の休息が定められていて、上記例にあげた11時間の勤務間インターバル規制がすでに行われています。
EUの場合、EU加盟国が必ず国内で法制化しなければならない基準である、EU労働指令で、上記の「24時間につき最低連続11時間の休息」が定められているため、かなり強制力を持っているみたいです。
日本では、現時点(2017年3月6日)では、法制化にむけて検討中というところです。勤務間インターバルを導入する企業に対して助成金を出す程度の対応は、既にされているようですけど。
ただ、労働代表側が強く求めているらしいのと、勤務間インターバル規制が法制化される可能性は、けっこうあるのではないでしょうか。
人間にとって休息=睡眠の重要性は、最近の研究でどんどん客観的に証明されてきていますから、終業時刻と翌日の始業時刻の間に十分な睡眠がとれる様の規制するのは、労働者の健康にとっては、すごく、プラスの要素があるのは間違いないです。
終業時刻と翌日の始業時刻の間に、十分な睡眠をとれない状態が続くと、睡眠不足が蓄積して、睡眠負債という状態になるそうですが、日常的に4時間程度しか寝ていない人は、7~8時間の睡眠を取れている人にくらべて、どうかと思って、ググってみると
- 6年後の死亡率が約3倍になる。
- 肥満になるリスクが約70%強もアップする。
- 高血圧になるリスクが約5倍以上ある。
- 糖尿病になるリスクが高い。
- 集中力がなくなる。(きちんと睡眠をとった人のほろ酔い程度におちる)
- その他、頭痛・胃の不調・間接痛などの症状がでたケースもある。
- etc
などの研究結果が報告されているというような記事が結構でてきます。
恐ろしいですね。
本当は、勤務間インターバル規制がなくても、きちんと休息時間をとれるように自分でできるのが理想ですが、なかなか、そうもいかない状況の方もあるでしょう。
久々に、若干業務がややこしくなるリスクを差し引いても、早く法制化の検討をすすめてほしいなと思う内容ではあります。